最初は恥ずかしがってるんだろうなー何て思って、愛しさ倍増プラス可愛さ倍増
・・・って感じだったんだけど。





それにしては拒否され過ぎだろうと気付いた、桜咲き出す春の日。





「咲」





煙を吸い込んでは吐き出すと云うだけの行為になっている喫煙タイム。






灰皿の角の一点を見つめる俺の頭の中を占めているのは、そう。







俺の大好きな心夜の事。







やっぱりさー・・・こう・・・愛してるし。






愛し合ってるなら愛の営みをしたいじゃん?なのに・・・。






『今日は嫌なん。眠い。』
『そんな気分や無い。』
『触らんといて。』
『無理。』





・・・・以下略。





兎に角ちょっとでも、そういう雰囲気になろう物なら
悉く断られ続けてる今現在までの日々。





でも別に嫌われてるって感じでも無いみたい、で。





「はぁ?心夜がヤらせてくれない!?」
「うん・・・っつーか声デカいよ、堕威くん・・・・。」
「あぁ・・・悪い。」
「でね、やっぱり嫌われたくないしさー。」
「・・・・まぁ、そうやろうけど。でも心夜の事やし、今動かな多分ずっとこの侭やで。」
「だーよねー・・・・・。」






偶然、同じ様に煙草を吸いに来た堕威くんに相談してみると
こんな答が返ってきた。





頷けてしまう自分が何処か空しく感じるのは気の所為だろうか。





「今日は如何するん?」
「んー・・・・一緒に帰る、と思う。」
「せやったら少し押してみ?」
「ぅー・・・・・うん・・・・・・頑張ってみる・・・・。」
「おう。頑張れ!・・・・じゃあ俺、先戻るな?」





短くなった煙草を揉み消し、にっと笑った堕威くんは俺の肩を
数回軽く叩いて歩いていってしまった。





「・・・・もう一服しよ・・・・・・。」





ごそごそと引っ張り出した真新しい煙草。





気も新たに火を点けながら今晩の事を思い浮かべる。






「しーんやー・・・・。」






寝ても覚めても君を想っているのに。





君は自ら目を覆うように壁を作っている、から。




−・・・・・・・そんなこんなで、一緒に帰る事になり、心夜の家に帰宅。




心夜が淹れてくれた紅茶に口を付けながら、隣で同じ様に紅茶を飲む心夜の方を見た。





伏せがちの視線。





薄く色付いた唇。





手触りの良い髪。





白く透き通った肌。






こんな近くに居るのに触れられないとか有り得ない。






「・・・ね、心夜。」
「何?」
「こっち向いて?」
「何で?」
「向く位良いでしょ?」




ゆっくりと上げられた顔。




相変わらず無表情だけど、整った顔立ちが引き立てられて
一瞬胸が高鳴る。




指通りの良い手入れの行き届いた髪に指を絡めて、そのまま唇を重ねた。




「っ!?」




体を引こうとする心夜の後頭部を押さえながら、舌で唇を割り
口内へと侵入させる俺の舌。




蠢く舌を絡め取って、濡れた音が聴覚を刺激する程
深く貪る様に舌を進める・・・・と。





「!」





どん、っと云う衝撃と共に息が詰まった。





「痛っ・・・・・心・・・・!?」
「な、にすんねん!急に・・・あんな・・・・!」




ほんの少し目元に涙を浮かべた心夜が俺の胸元を力一杯叩き
噎せた俺との唇が離れた瞬間、思いっきり顔を背けて。




「急に・・・って・・・・したかったんだもん。」
「・・・・・・・・。」
「心夜、セックスも嫌がるよね。何で?」
「・・・・・・・・。」
「心夜。」
「・・・・・・・・。」




背を向けた侭の心夜からは何一つ返って来なくて、表情も見えないから
何も言えない。




そして。




音を立てて崩れる俺の中の「何」か。






・・・思うより早く行動に出ていた。





「敏・・・・っ!!」
「心夜、未だ軽いねー。」
「降ろして!」
「嫌。」





俗に云う御姫様抱っこで心夜を抱え上げて、そのまま寝室へ。




半開きだったドアを足で開けつつ中に入り、ベットの上に乱暴に降ろすと
片肘を沈ませながら俺を睨み上げてくる目。





・・・・・・それで?





もう本当に訳判んないし。



目の前が真っ白に変わって、その中心に心夜が居るだけの様な錯覚に襲われた。




「・・・そんな顔してると折角の可愛い顔、台無しだよ?」
「・・・・・・良いから、退いて。嫌。」
「俺も嫌だって。さっきから言ってんでしょ?」




肘をついて居ない方の肩をベットに押し付けるようにして押し倒しながら
心夜の上に覆いかぶさり、服の隙間から覗く首筋に吸い付く。




時折歯を立てながら、掴んだ両手首を心夜の頭上で一纏めにして
空いた手で弄る肢体。




細い腰のラインをなぞると、擽ったそうに身を捩り逃げようとして。





顔を寄せ、耳朶をゆっくり舐めれば震え、キスをすれば唇が白くなる程噛み締める。





「と、し・・・・っ・・・あ・・・や・・・・・放して!」





大きくなる拒絶の声が痛い。





如何してそんなに嫌がるの?
せめて答えてくれたら良いのに、君は何も口にしなくて。





「敏弥・・・・・何で・・・・・。」
「・・・それ・・・・俺の台詞何だけど?」
「え・・・?」
「何考えてんだよ・・・聞いたって何時も無言で、顔背けて・・・・・・俺は・・・俺、は!」






愛してるから。






一つになりたいって思うじゃんか。







体だけ重なったって何も得られないとは判ってるけど、それでも。






同じ気持ちを感じて、同じ想いに駆られたい。






「・・・・・・・放して・・・・・・御願い・・・・やから・・・・。」






心夜の声に、掴んだまま固定していた手を放すと
そのまま伸びてきた腕に抱き締められて。





止まる、思考。





「心・・・・夜・・・・・。」
「そんなん思わせとったんやね・・・僕・・・・御免・・・・僕・・・・っ。」
「心夜・・・。」
「敏弥の事、大好きやけど・・・怖く、て・・・・何時か終わってしまうんやったらって・・・・・・。」
「・・・・・・そんなの・・・・・・俺も同じだよ・・・。」
「・・・・・・・御免・・・・なさい・・・・。」
「俺も・・・乱暴にして御免。」





回された腕をやんわりと解いて、赤くなっている手首に唇を寄せる。






そのまま掌と指の間、指先へと唇を這わせると心無しか掠れた声。






「と・・・・しや・・・ぁ。」
「・・・・・・・・感じた?」
「っ・・・・・阿呆・・・・・。」
「舌、出して?」



真っ赤になった目元をキツく閉じて、おずおずと出される舌。




わざと焦らすように絡め取りながら重ねたソコから伝わる熱。




服を脱がそうと手をかけると、躊躇いがちな心夜の手も俺の服にかかり
互いに纏った服を脱がし合う。




足に纏わりつく下着とジーパンがもどかしく、自分でも可笑しい位
急いた気持ちでベットの下に蹴り落とした。





「あんま・・・・余裕無いかも・・・・。」





耳元で囁きながら心夜の手を取って自分のソコへ導く。




「っ・・・!」
「心夜、は?」
「一々聞か・・・んで・・・・ぇ。」
「だって聞きたいんだもん・・・心夜・・・・・そのまま心夜の手で・・・シて?」






ぎこちない手付きで俺のソレに触れていく指の感触に小さく息を吐きつつ
心夜の下半身に手を伸ばし湿った先端をなぞる。




殆ど重なった状態の体勢は、心夜から洩れる吐息も全てダイレクトに届いた。





「声・・・色っぽい・・・・。」
「や・・・ふ・・・あぁ・・・・ん・・・!」





唇を塞いで胸の突起物を指の腹で押し潰す様に愛撫すると自然と浮いてくる
心夜の腰の下に手を入れ、自分の腰を押し付けた。




俺のソレから手が離れ、小さく腰を揺らすだけでも反応する体。





疼く下半身から響きだす水音が更に欲を煽る。





「心夜・・・・。」
「は、ぁ・・・・あ・・・・っ・・・んぅ・・・ふ・・・。」





溢れては落ちる液体を掬い取り、後口に塗りつけながら進める指が
狭すぎるソコに締め付けられ先に入る事を拒んでくるかの様。




傷つけない様に、辛くない様に。




時間をかけてほぐし、3本の指を受け入れる様になった時には
既に心夜は2度果てた後で、涙に濡れ、欲に濡れた虚ろな目が
俺を捉えてた。





「挿れる・・・・よ?息吐いて・・・・・・っ・・・・・!」
「っく・・・あ、あぁあぁ・・・・あっ・・・・は・・・・熱・・・ぅ・・!」
「ふ・・・・っ・・・・もう・・・・ちょっと・・・・・!」
「ん、ふ・・・・・は・・・・っ・・・・と・・・し・・・敏弥・・・ぁ!」
「・・・・・・はぁ・・・・ぁ・・・・・ん・・・・心夜ん中・・・・凄っ・・・・。」




押し込んだソコは温かく、抱いているのに抱かれてるような気分になる不思議な感覚。



何度も俺の名を呼んでくれる心夜に湧き上がる愛しさ。




夢中で心夜を求め続け、弾けた快感に溺れていく。




その言葉しか知らないかと云う位「愛してる」を紡ぎ合いながら。




*           *          *


桜乱れ咲く春の時。




煙を肺に送り込んでは吐き出していた。





「敏弥、心夜と上手くいったん?」
「んー?まぁねー。」
「顔緩みまくりやで。」
「えへへー。だって幸せなんだもーん。」






あれからの俺達と云えば。







「堕威くん、敏弥知らな・・・・あ、居った。」
「あー!心ちゃーん!!」
「・・・重い。すぐ抱きつかんといて。」
「酷っ!嬉しいくせにー!」
「・・・・・・・幸せそうなこって。」




この陽気みたく暖かで穏やかな日常を送り、幸せを満喫していたりする。





「今日、晩御飯食べて帰る?」
「その後は?」
「・・・・・・そっち・・・・行く・・・・。」




あの日から少しづつ、思ってる事を口にしてくれるようになった心夜。




これからもっと幸せになろうね、何て。











−君を想う春が廻る。−
































●End●

      




■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

PinkyStripper. のみぃな。さんから頂きましたv
何を隠そう、姫受けで一番好きなCPなんですよ(/∀\〃)
見て下さいよ!エロですよ、エロ!!
私の意味不明なリクを此処まで素敵な御話にして下さるなんてさすがです!
本当にありがとう御座いましたvV


      20050520  未邑拝






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送