好きだって、愛してるって言ったよね?
       すっと一緒にいようって、ゆびきりしたよね?
       約束破るなんて、許さないよ?












      



      P romised  T ime

















      「咲人!居るんだろ?!咲人!!」





      もー・・・新弥ウルサイ。
      邪魔しないで欲しいんだけど。
    





      「おい、咲人!開けろっつってんだろ!!」





      瑠樺さんまでそんなに声張り上げちゃって・・・。
      やっと大切なもの、手に入れたんだ。
      もう少しくら一緒に喜んでくれてもいいんじゃない?
      柩も黄泉も、狂ったように叫ばないでよ。
      もっと静かにしてくれないと・・・が驚くだろ?





































      「・・もう・・・・終わりにしよ・・・?」





      最初、何を言われたのか解らなかった。
      いつもと変わらない俺の部屋を流れる午前二時の空気。
      が好きな音楽と薄暗い照明。
      飲みかけのコーヒーを置いた硝子のテーブルにの顔が映る。
      






      「どういう意味?」







      冷めかけたカップを両手で包み、俯いたままの
      俺と視線を合わせようとしない。
      ソファーに深く腰掛けて足を組むと、はますます下を向いた。
      永遠を思わせるような痛い沈黙と・・・沈黙。







      「ごめん・・なさい・・・」







      「ごめんじゃ解らない!」








      ねぇ、
      俺、に何かしたかな?
      ねぇ、、どうしたの?
      いつも甘い言葉を囁いてくれるその唇で、今度は何を囁いてる?
      さっきまでキスをくれたその唇で、今は何を紡ぎ出すの?
      





      わけがわからない。
      初めてに声を上げた。
      驚いたように立ち上がった俺を見上げたの目は涙でいっぱいで。
      顔に手を伸ばした瞬間、の肩があからさまに震えた。









      























      「ねぇー・・・咲人」




  

      「んー?」






      無限に広がる青を称える空と言う空間の下。
      四角く切り取られた外界と遮断された檻の中。
      そこには甘く緩やかな時間が流れる。
      これが幸せというもの。





      何をするわけでもなくベッドに寝転がった俺の袖を引く。
      細い指、が俺の袖に顔をすり寄せると、綺麗な黒髪が指に絡まる。
      そう、初めて逢った時もこの黒髪に見惚れたんだ。
      年相応に見えない幼い顔と小さな身体。
      本人は気付かない、この妖艶さに見惚れたんだった。
      





      俺はベッドから上半身を起こして、床にペタンと座ったを抱き上げた。
      わッ!と小さい声を上げて、細い手足が宙を舞う。
      そのまま膝の上に乗せて、を抱きしめた。







      「どーしたのかな?ちゃんは」







      「・・・子ども扱いは止めてクダサイ・・・」







      眉を顰めたの表情が可愛くて、可愛くて。
      目にかかる前髪を左手でかきあげて、そのままキスをした。
      首に感じる温かさは、が俺を受け入れてくれた証拠。






      「ねぇ咲人、独りにならないで?」







      「は?」







      「独りにならないで?」









      そうそう、初めて逢った時、もう一つ気付いた事がある。
      の感覚は面白い、って事。
      だってさ、この場合も普通の女の子だったら「独りにしないで」って言うよね。
      そんな事を考えながら含み笑いをすると、真剣なの、とが怒った。
      こういう時改めて思うよ。好きだなぁ、って。







      「だって咲人、弱いんだもん」





    



      「弱い?俺が?」








      「あ、力が弱いんじゃなくてさ、心が、ね」






 

      「・・・そ?初めて言われたんだけど」








      「他人に冷たく見られがちだけど、ホントは甘えただもんねー」








      には負けるけど、と笑ったけど、本当は嬉しくて死にそう。
      が俺を見ててくれた事が、の中に俺が存在する事が、死ぬほど嬉しい。
      腰まで伸びた黒髪を指に遊ばせながら、額にキスを落とす。
      好きだよ。







      「だからさ、咲人は独りになったら壊れちゃうと思う」






    
      「大丈夫、壊れたりしないから」







      「どーして?]







      「がずっと一緒にいてくれるんでしょ?独りになる暇ないじゃん」







      ぶつかった視線に赤面しながら、は俺の胸に顔を埋めた。
      胸にあたる吐息が教えてくれたのは勿論の答え。
      「当たり前でしょ」
      声にならない声が無性に嬉しかった。
      俺達の間に全く距離が無い事も、一緒に教えてくれたから。







 
      「、好きだよ」







      「・・・うん」








      「好きだよ?」







      「知ってる」







      「は?」








      「・・・愛してる」











      真っ赤な顔のにこれ以上何かしたら、本当にが死ぬような気がした。
      それ以上に俺が、嬉しすぎて死にそうなんだけどね。
      俺は恥かしさを紛らわすように、今更照れすぎ、と苦笑いした。
      繋いだ右手の小指と小指が熱い。
      俺は未来を確かめるかのように、の小指に口付けた。
      「愛してる」と囁いて。






























      「黙ってないで答えろよ!」






      怯えたような目で俺を見るにイライラする。 
      ねぇ、俺そんな酷い事、何かした?
      何か悪いとこあったなら謝るからさ、冗談でも別れるなんて言わないでよ。
      






 
      「俺の事、嫌いになった?」







     
      俺の問いに、は頭を左右に振って答える。
      が頭を振るたびに、大粒の涙が零れる。
      








      「だったらどうして・・・ッ!!」








 
  
      「駄目なの!!咲人と一緒にいると駄目になっちゃう!!」










      長い髪を振り乱して立ち上がる
      泣きながら俺を見据える目は、どうしてそんなに苦しそうなの?
      ねぇ、もう本当にダメなのかな?









      「咲人と一緒にいてもね、ずっと不安だった」








      もういい。
      もう何も言わないで、聞きたくない。
      別れの言葉も、理由も、何も聞きたくない。







 
      「ずっと『私の咲人』が欲しかった」







     
      もう何も言わないでよ。
      の口から、そんな汚い言葉聞きたくない。
      








      「私ね、『咲人の私』になりたかったな・・・」









      好きだよ。好きだよ、
      こんなありふれた言葉しか思いつかないけど、嘘じゃないよ。
      








      「でも無理みたい。・・・ごめんね・・」








      約束、した事は嘘だったの?
      あの時くれた言葉は、温かさは、全部ニセモノだったの?
      ねぇ、ニセモノってなんだっけ?
      ニセモノの表にはホンモノがあって、ホンモノがあるからニセモノが存在して。
      じゃあさ、ホンモノって何?







      俺にとって、と過ごした時間は嘘じゃなかった。
      幸せで、幸せで、幸せで堪んなかったよ。
      お願いだからさ、そんな言葉で全部嘘にしないで。
      触らないで、壊さないで、綺麗なままでそっとしといてよ。
      過去形になんかしたくないのに。






      ねぇ、
      俺さ、俺がに何したんだよ、って思ってた。
      何もしてなかったね。
      何もしてあげられなかったんだね。
      ねぇ、
      今からもう、遅すぎるのかな?
      『俺の』にしたいなんて言ったら、怒ったりするのかな?
      でもさ、俺達、離れらんないよ?
      だってさ、ゆびきり、したじゃん。









      「・・ッ!・・さき・・・・と・・ッ・・」










      「俺から離れるなんて・・・許さないよ?」


 








      ねぇ、。   
      一緒にさ、あの日に帰ろうか。
      愛しさは何も変わってなんかないのに、どうしたんだろうね。
      あの日と同じ様に、あの日以上に、愛しくて堪らないのに。
      あの日から、何がどう、変わったんだろうね。
      こんなに好きなのに。







      の細い首を包み込むには大きすぎる俺の両手。
      それでも唇を噛む様に、ありったけの力を込める。
      首に食い込んだ小指が熱い。
      それはゆびきりをしたあの日の熱。









      「・・ごめ・・・・・ね・・・・ッ・・・」







  
 
      「愛してる・・・愛してるよ、・・・・」







      

     

      恐い?そんなに泣かないで?
      大丈夫、独りになんかしないよ。
      ずっと、ずっと傍にいるって約束したじゃん。
      






 
      「・・傍に・・いて・・ぁげ・・・られな・・ッて・・・ごめ・・・・」








      「ずっと一緒だよ?」









      ちゃんとを見ていたいのに、目の前が滲んでく。
      悲しい事なんて何もないのに、どうしてだろうね。
      こんなに見開いてるのに、の涙しか見えないよ。
      力を込めた手が、凄く痛いんだ。
      を好きだと思う心がね、すごく痛いんだ。
      間違った事してないのに、どうしてだろうね。








      「・・よ・・ゎくて・・・ご・め・・・・ん、ね・・ッ・・」








      
      俺の手首を掴んでいたの手が、床めがけて落ちる。
      俺を見ていたの顔が、長い黒髪に隠れる。
      力が抜けた身体が、重力に従って崩れた。
      始まりが終わって、終わりが、始まる瞬間。
      始まりの言葉は・・・何だっけ?







      「、もう一回言って?」






      
      しなだれたの小指を小指で繋ぎとめる。
      口付けた小指の熱は、あの日より少し低い、35.7℃。
      口付けた柔らかな唇は、無味の34.0℃。







      「愛してるよ、って」
































      「咲人!!さっさと開けろ!!」






      「咲人くん!ちゃんもいるんでしょ?!咲人くんっ!!」





   
      今日って何月何日なんだろう?
      今は朝なのかな?それとも昼?夜?どーでもいいけど。
      がいれば、今日がいつだろうが関係ないよ。
      ねぇ、キスしようか。




  
      あ、外のメンバーが気になる?
      さっきからガンガンドア叩いて、近所迷惑だよね。
      放っとけばそのうち帰るんじゃない?
      邪魔、しないでほしいよね。






 
      
      さぁ、今日はなにしようか?
      焦らなくても大丈夫だよ、時間はいくらでもあるじゃん。
      だって、ずっと一緒にいるって約束したからね。







      












      BE HAPPY・・・?

      







      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
    
      初書きで御座います(/∀\〃)
      文才が・・・文才が無いのがバレバレです・・・。

      愛するは悪むに似たり。
      それでは愛される事は・・・?
      

      20040122 未邑拝


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