我が儘姫の面倒見るんはそんなに嫌いやない。
京くんの我が我が儘なんや、可愛ぇもんやしな。
ご機嫌ナナメ
本日、俺の姫さんはご機嫌ナナメ。
前の晩よう寝れへんくて仕事行ったかららしい。
しかもな、俺とナニなことしよって寝られへんかったんとちゃうんやで?
この人な、昨日一人でずーっとゲームしよってんやんか。
寝れ言うたら「俺の勝手やろ、ボケ!」とか言われてな。
けったいなこと言いなや・・・ほんまに。
んでもって不満がもう一つ。
俺の姫さんは最近ヤラしてくれん。
疲れてるだの腰が痛いだの理由は・・・よう思いつくわな、毎日毎日。
俺やって健康児やし?
このまんまやったら欲求不満、溜まりすぎて不能になってまうわ。
「なぁーきょぉーくーん・・・」
ベッドに寝転がってマジ寝モードの京くん。
風呂上りやんな?ボディーソープのえぇ匂いがする。
髪乾かさんと寝てまうと明日の朝爆発すんでー。
俺は甘えるような猫撫で声で京くんに近付く。
鼻先を掠める京くんの匂い。
俺と同じボディーソープ使っとるんにこんな匂い違うんやなぁって。
「なぁ、京くーん・・・えぇコトしよーやぁ」
京くんの身体を跨ぐように上から見下ろす。
ちっこい身体を丸めるように寝るのは京くんの癖。
てか、無反応?
俺がこんだけ誘っとんのに無反応?てより、シカト?
そんなされたら堕威くん、ちょっと凹むで?
「なぁ、きょぉーくーん・・・」
・・・・・・
おーい、京くーん・・・?
何々?無反応=無抵抗
無抵抗=大歓迎=ビバスキンシップ=セックスOK?!
うわぁー都合良すぎな解釈やけど・・・ちょっとくらいえぇと思わん?
俺だってここ何日間も我慢しとってんで?
自分でヌこうかと思ってんけど、隣に恋人おんのになしてそんな虚しいことせなあかんねん。
俺の気ぃ知らんとよう爆睡できんなぁ。
まぁ、えぇわ。
兎に角、今日こそはイタダかせて頂きます。
俺が勃たへんようなったら京くんだって悲しむしな。
いや、この人なら喜びそうやな・・・
「京くん・・・」
少しだけ開いた唇に自分のそれを重ねる。
無反応のそれを割り開いて自分の舌を滑り込ませる。
歯列をなぞって歯茎に舌を這わせ。
濡れた舌を甘噛みするように絡めると、京くんの口から息が洩れる。
「ん・・・ッ」
「寝とっても感じるん?」
パジャマ代わりのTシャツの裾から手を差し込む。
まだ火照った身体とクーラーで冷えた手の温度が混ざり合う。
捲くり上げたTシャツの隙間から覗く脇腹。
触れるか触れないかの微妙な距離で撫で上げていく。
「んぁ・・・やっ・・・」
そのまま胸の突起を舌で突付く。
甘い声が洩れるのを確認して、ソレを口に含んだ。
もう片方は指の腹で押しつぶすように撫でる。
眉を顰めて声を上げる京くんが可愛ぇ。
普段はこんなこと言われへんのやけど。
俺の愛撫に素直に答えてくれたりして。
せやけど寝とる京くんとヤっても何も楽しくないわけで。
だってこんなんやったら強姦と変わらんやんか。
ただの性欲処理ならダッチワイフと変わらんやん。
京くんやから抱きたい。京くんやから欲情する。
な、ほんまやで?
「ぅん・・・だ・ぃ・・くん?」
「京くん・・・」
「んッ・・・な、なにして・・・」
「気持ちえぇんやろ?」
「ひゃぁ!ちょ・・待っ・・ッ!」
「待てへん」
「だ・・ぃ!やッ・・・やめ・・ッ」
「嫌や」
有無を言わさず下半身に手を伸ばす。
服の上から熱を持ち始めたソコに触れた。
「やぁ・・・ッ!」
少し触れただけで甲高い声があがる。
ダボダボのジャージを脱がそうとと、それに手をかけた。
瞬間のこと。
「止めぇ言うとんじゃ、このボケ!!」
ガツンと音がしたと思ったら、急に襲ってきた眩暈。
京くん・・・ナイスパンチや・・・
しっかり愛のアッパー、左顎で受け止めたで・・・
あーりーえーへーん・・・
「人が寝とぉ間に何勝手に盛っとんねん!」
「だって京くんがー・・・」
「だってやあらへんわ!小学生か、お前は!」
「・・・すんません・・・」
「謝ればえぇって問題やないで?!強姦やで、強姦!」
「だって京くんが起きへんからやーん」
「起きひんかったら何してもえぇんか?!あぁ?!」
「ご、ごめんなさい・・・」
確かに寝込みを襲った俺が悪いんかもしらんけど・・・
でもちゃんと起こしたんやで?!
なのに京くんが起きてくれへんかったんやんか。
俺だって男の子やからせぇへんかったら溜まりもするっちゅーねん。
とか心ン中で悪態を吐いてみても口には出されへん。
「独りでヌいとけ!」とか言われんの目に見えとんねんで?
恋人にそれ言われんのは結構辛いもんあんねんて、マジで。
「京くーん・・・機嫌直したってやぁ」
「知らん!」
「すまんかったって!ほんま堪忍したって!」
「そんな性欲処理欲しかったらヘルスでも行っとけや!」
「ちょぉ待てや!誰が性欲処理やねん!」
「突っ込める相手がおればえぇんやろ?!せやから寝込み襲ったり出来るんとちゃうん?!」
「アホか!京くんやから寝とっても欲しなるやろ!」
「嘘や!」
「嘘吐いてどないすんねん!」
「だって・・・!」
「あんな、よう聞いてや?」
寝込み襲ったんは悪いと思っとる。
せやけど、性欲処理の相手が欲しかったわけやないんやで?
京くんやから抱きたい。京くんやから欲しい。
京くんの前じゃ、抑え効かへんねん。
「俺は、京くんやなかったら抱きたない」
好きやって気持ちを伝える言葉なんてそう多くはなくて。
身体を繋ぐことは気持ちを伝える行為やって思うから。
伝えきれんことを伝える手段やって思うから。
好きな相手しか抱きたない。
「好きや。好きやから、抱きたい」
難しそうに見えて以外に単純な俺等の構造。
単純やから難しいんかもしらん。
「・・・許したってもえぇけどな、1個だけ言うこと聞いてや」
「えぇー・・・どーせ無理難題なことやろー?」
「反省の色が見られんな」
「う、嘘ウソ!謹んで聞かせていただきます!」
好きを前提にした行為で得られるものは、きっと愛とかその類のもの。
でも別に愛が欲しいわけやない。
唯、気持ちが重なればえぇなって、そう思う。
「今度は・・・俺が起きとぉ時に・・・キス、してな?」
我が儘姫の面倒見るんはそんなに嫌いやない。
京くんの我が我が儘なんや、可愛ぇもんやしな。
ご機嫌ナナメな俺の姫さん。
ご機嫌取りは目覚めのキスやなくて。
目覚めた後一番最初のキス、なのかもしらん。
Lies Or Truth・・・?
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初の堕威京でしたー。
夢と平行できるか解らないけど、SSSとして書いていこうかな、と。
私の中で堕威京はこんなイメージです。
少しでもお気に召しましたら、感想下さると嬉しいです♪
20041001 未邑拝
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