当たり前にある全てのことより、こっちの方が嬉しい。
      全てが奇跡に思えてくる脳味噌が愛しい。





















      DEEP DEEP






















      家に帰ってきたら、酔っ払いがおった。







      家帰ってきたら鍵開いとるやんか。
      一人暮らしの奴が鍵かけわすれる確立はほぼゼロに近いらしい。
      とゆーわけで、俺がかけ忘れたわけがない。
      

      もしかしたら泥棒やろか。
      俺んち押し入っても何もあらへんでー。
      あ、セクダイの新作ライダースだけは盗らんでほしいわ。
      あれ高かってんな。
      

      つーか、泥棒まだおるんかな。
      今入ったら殺されたりするんとちゃう?
      えー嫌やなぁ・・・新作ライダース持ってってもえぇからはよ帰ってくれ。
      

      恐る恐る玄関を開けてみたら、荒らされたみたいな玄関。
      その中にある見覚えあるデカイ靴。
      

      「きょぉーくぅーん!」


      「・・・何でおんねん」


      ソファーに寝転がった酔っ払い。
      どこの王族やねんって座り方で。
      

      つーか、部屋が酒臭い。
      どんだけ飲んどんねん。
      テーブルと床の上に転がった大量のビールの缶。
      こんだけの量の水分がどこに入んねんか。


      「おっそいでー!化石になるくらい待ったわ!」


      「夢見るのもえぇ加減にせぇや、酔っ払い」


      「夢見がちな小さな身体を売る少年やからなー!」


      「俺の神聖な詞を汚すなや!」


      キレられてゲラゲラ笑う酔っ払い。
      わけ解らん。


      しかも人んちの床に空き缶散乱させやがって。
      昨日掃除したばっかやっちゅーねん。
      あーあ・・・ビール零れとるやん。
      絶対堕威くんに拭かそーっと。


      堕威くんの足元に頃転がった缶を拾い上げようとした瞬間。
      缶を踏んで滑ったんかと思った。
      腕を掴まれてそのまま堕威くんの胸元に抱き寄せられた。


      「・・わっ!な、なにすんねんっ!」


      「えー?ナニなコト?」


      「アホか!はーなーせー!」


      「なぁ、チューしてもえぇ?」


      「人の話聞けや!」


      両手を伸ばして力一杯堕威くんの身体を引き離して。
      これでもかって目で睨み上げてやった。


      「そんな顔で見んといてや」


      「はぁ?人の顔にケチつけてんな・・・っん?!」


      凄みを利かせようと思ったその時。
      無理矢理顎を掴まれて上を向かされたと思ったら、唇に温かいものが触れた。
      それが堕威くんの唇だって気付くには、そう時間はかからんくて。


      酔っとったら口の中まで熱くなるんやろか。
      執拗に絡めてくる堕威くんの舌はいつもより熱い気がする。
      頭を押さえつけて無抵抗の咥内を犯す舌。
      カルシウムの塊で刺激されると唾液さえ飲み込めんくなる。
      口の端から零れる透明な卑猥物。


      「ぅん・・・はッ・・・い・・なり、何す、ねんっ!」


      「京くん・・・シよぉーや・・・」


      「ちょ、待て・・・んんッ!」


      奪うようなキス。
      想いも言葉を全部堕威くんに支配される。


      角度を変えて滑り込んでくる舌で八重歯を擦られる。
      開きっぱなしの口からは変な声と唾液しか出て来ぃひん。
      身体が熱くなる。


      「京くん・・・気持ちえぇ?」


      「ぅは、ぁ・・・っ・・」


      「ちゃんとゆうて?」


      「きもち、えぇ・・・」


      こんなんなったらいっつも堕威くんのペースで。
      絶対に拒否なんて出来ひん。
      気持ちえぇことやって、身体がちゃんと判っとるから。


      「堕威くん・・・」


      自分から堕威くんの膝に跨ってキスをねだる。
      溺れる前の人工呼吸。
      

      酒臭い唇を舐めて軽く歯を立てる。
      開いた隙間から唾液を流し込んで舌でかき混ぜる。
      アルコール色の唾液が咥内の粘膜から浸透してくる。
      顔が熱くなるのは、きっと酒の所為。


      「はっ・・・」


      「なぁ、京くん・・・」


      「・・ん・・?」


      「口でシてくれへん?」


      「・・・はぁ?!」


      「な、えぇやん!」


      「えぇわけあるかい!調子のんなやっ」


      「せぇへんかったら俺もせぇへん」


      「はぁ?」


      「京くん、もう欲しぃして堪らんのとちゃう?」


      「ちょ、んっ・・・!」


      唇を離されたと思ったら、堕威くんの手が股間に触れてきた。
      キスくらいで反応し出す自分が悲しい。
      強弱をつけて撫で上げる手。
      ソコに血液が集まってくるのが解る。


      「せぇへんかったらこのまんまやで?」


      「・・・死ね・・・」


      「京くんに殺されるんやったら本望やな」


      酔っとっても口だけは達者やなぁ。
      食いちぎったろか。
      ・・・そんなことせぇへんけど。


      堕威くんの脚の間に座りなおしてジッパーを降ろす。
      微妙に勃ちかけたものを手に取って思ったこと。
      

      グロイ。


      そら、こんなこと初めてするわけやないけど。
      でも滅多にせぇへんことやん。
      せやから明るいとこで直視すんのなんか初めてやし。
      ほんまに俺と同じモンなんやろーか。
      

      「なぁ・・・ほんまにやらなあかん?」


      「京くんが欲しないならせんでもえぇで?」


      「・・・地獄堕ちんで・・・」


      「そんときは京くんも一緒やからな」


      軽く目を瞑って、堕威くんのモノにチュっと唇をくっ付けた。
      先端だけを舌で煽って、そのまま口の中に収める。
      完全に反応してるわけやないんにやっぱり苦しい。
      

      舌を使って咥内の唾液を堕威くんのモノに絡ませる。
      上から下まで丹念に舐めあげる。
      先の窪みに舌を差し込むと口の中で堕威くんが大きくなるんが解った。


      「ふぅ・・・むぅ、んっ・・・」


      「・・えぇよ・・・・」


      堕威くんの指が髪を撫でる。
      こんなことさせとるくせに妙に優しいやんか。
      俺が頭撫でられるの好きやってこと、知っててやっとんのやろか?
   

      堕威くんのモノから滲んでくる体液と唾液が混ざる。
      これ以上隙間あらへんと思う口端から唾液だけは流れてくる。
      口の中に広がる堕威くんの味。
      さほど嫌でもあらへん俺は変態かもしらん。
      こんなこと、堕威くんには絶対ゆえへんけどな。


      さっきとは比べ物にならへんほど成長したモノ。
      奥まで咥えようとして吐き気を覚える。
      それでも出来るだけ咥えて、咥えて、咥えて。
      

      気持ちよぉしてやりたいとは思う。
      でも実際どーやったら気持ちえぇかなんて解らへんくて。
      堕威くんが俺のん咥えとるときのことを思い出したりして。
      一気に身体が熱くなる。


      「俺のん咥えて勃たせとんの?」


      「ぅ、んッ・・・んん・・・」


      「挿れて欲しかったら、もうちょい頑張ってな」


      そうゆうと堕威くんは俺の頭を自分の股間に押し付けて。
      腰が軽く揺すられるたびに喉の奥に堕威くんの味が広がる。
      歯だけは当てへんように必死に口を窄めた。


      堕威くんの動きに合わせて裏筋を舐める。
      先端から出てくるネバネバしたものが喉に張り付く。
      息が出来ひん。
      それでも堕威くんから口は離せんくて。
      

      「・・えぇ子やな・・・」


      「んっ・・・ぁ、ぅん・・・」


      髪を描き回す指で脳味噌まで掻き回される感覚。
      何も考えられんくなって、口ン中の堕威くんだけを無心に舐め回して。
      

      「っ・・・もぅ、えぇよ・・」


      「・・・ぁ・・・」


      「もっと咥えたかったん?」


      「違っ・・・!」


      「今度は京くんの番やろ?」


      脇の下に手を入れられたと思ったら、くるっと体勢を逆にされる。
      沈んだソファーは俺のもんなんに、何故か堕威くんの匂いがする。
      香水とか煙草とか酒とか・・・堕威くんの匂い。
      酔っとるんは俺の方かもしらん。


      「京くん・・・勃ちすぎやん」


      「ゃっ・・・」


      「俺のん咥えて何想像しとったん?」


      「ぅんッ・・・ぁ、やぁ・・」


      下着もジーンズも堕威くんに脱がされて。
      露になった自分のモノを堕威くんの手に包み込まれる。
      

      零した先走りの蜜を指で掬われて、後ろの窪みに塗りたくられる。
      ぬるぬるしとって温かい、感覚。
      もどかしくて、じれったくて身体を捩る。


      中指が、関節まで。
      ぐっと押し込められて付け根まで。
      指を排出しようと内臓がドクドクと動く。
      それさえも無視して滑り込んでくるしなやかな指。
      人差し指に薬指。
      何も考えられんはずなんに妙にリアルな内部の感覚。
      

      掻き回されて、押し広げられて。
      ぐちゅぐちゅと粘着質な音が部屋中に木霊する。


      「んっ・・・ぁ、ぁ、ぁあっ・・・」


      「もちょっと脚、広げぇや」


      「んんっ!ゃ、むりぃ・・・あぁんッ!」


      一気に指を引き抜かれてもの凄い喪失感に襲われる。
      無理矢理に脚を開かされて。
      待ち望んだように体内が収縮するのがわかる。


      「ぁ・・・あぁッ!」


      「っは・・・締めすぎやって・・・」


      「ぅ、はぁ・・やっ、って・・・ぁッ!」


      何度経験しても慣れへん圧迫感。
      堕威くんのモノで体内を抉られる感じ。
      狭い場所を無理矢理こじ開けられて、貫かれて。
      へその辺りまで堕威くんでいっぱいになる。
      襲ってくる軽い吐き気。
      

      気持ち悪くて、苦しくて。
      でもそれを遥かに凌ぐ、快楽性。
      狭い器官で迎え入れとんのは俺で。
      堕威くんのモノを咥え込んどんのは俺で。
      粘膜で包み込んどんのは俺のはずで。
      なのに俺の方が堕威くんに包まれとる気持ちになる。
      だから『抱かれる』ってゆうんやろうか。


      「はぁっ・・・だ、ぃ・・・ぁ、ぁあっ・・・」


      「きょーくん・・・きょう・・・っ」


      優しい声とは対照的に激しい律動。
      深く深く沈められた身体が揺さぶられる。
      ギリギリまで引き抜いては限界まで挿れられて。
      堕威くんが押し入ってくる度に中から流れてくる体液。
      太腿まで濡らすソレは堕威くんのものなんか俺のものなんか。

  
      繋がった部分が溶けそうなほど熱い。
      このまんま溶けてしまえればえぇんに。
      一つになって離れられんようになって。
      でもそれは悲しいことなんやと、なんとなくそう思った。


      「京くん・・・イけそー・・?」


      ダラダラと蜜を流す自身に指を絡められて。
      そのまま軽く何度か擦られる。
      それだけもうイってしまいそうで。
      声にもならず何度も頷いた。


      「ほな、一緒に、な・・・?」


      脚を抱えられてより深く繋がる。
      壊れそうなくらい腰を打ち付けられて。
      唾液さえ飲み込めない口が嬌声を我慢出来るはずもなくて。


      「ひゃぁっ!あぁっ・・ぁ、ぁ、ぁあんっ!」


      「っ・・・」


      激しく擦れてそのまま堕威くんの手の中でイってしまって。 
      その数秒後、堕威くんが俺の中に出したのを感じた。
      物凄く温かくて、ちょっとだけ幸せな気持ちになった。
      いつもやったら中出しした瞬間キレるんやけど。
      俺に感じてくれたんやと思ったら、怒るに怒れへんくて。
      意識も絶え絶え。
      真っ白になった頭で神経だけを下半身に集中させた。
      ココも俺の口ン中と同じ味がするんやろうか。
      そんな阿呆なことを考えた。

























      



      「ぅわ・・・ものっそ頭いた・・・」


      「大人しゅーしとけ、酔っ払い」


      あのあと二人で風呂入って。
      調子に乗って風呂場でもヤりやがって。
      この結果がコレ。


      「きょーくーん・・・薬頂戴やぁ・・・」


      「薬ぃ?そんなん酒飲まれへんからよー持たん」


      「えぇー・・・」


      「うっさい、酒臭い、喋んな、酔っ払い」


      「・・・すんません・・・」


      
      
      堕威くんが酒好きなんはよー知っとるけど。
      わけわからんよーなるまで飲むんには訳がある・・・はず。
      俺ん部屋来て、一人で飲んで。
      自分でゆわへんからよー解らんけど。


      一つになりたいと思う。
      俺等のやり方は間違うとるってゆー自覚がある。
      だからこそ男と女よりももっともっと身体に執着してまう。
      どうにかして繋がりたい。
      俺等は阿呆やから、こんな不細工極まりないやり方しか知らん。
      だけど、それが温かいことだって誰よりも知っとる。
      

      例えば繋がった部分が溶けてしまって。
      二度と離れられんように一つになってしまったとして。
      それはきっと誰もが・・・俺等が望んどることかもしらん。
      でもそれは悲しいことやと、俺は思う。


      繋がれないからこそ繋がりたくて。
      全てを手に入れることは限りなく無理に近いから全てが欲しくて。
      自分のものやって大声で叫びたいのに叫べなくて。
      会いたくても会えなくて。
      抱きしめて欲しくても、ぬくもりすら感じられないことだってあって。
      

      辛くて、悲しくて、苦しくて。
      でもそのたびに思う。
      愛しいって。


      繋がれたときの嬉しさとか。
      何かを手に入れたときの喜びとか。
      自分のものだって誰かにゆえたときの照れくささとか。
      会えたときの感動に近い愛しさとか。
      抱きしめてくれたときの泣きそうになるあの感情とか。
      

      当たり前にある全てのことより、こっちの方が嬉しい。
      全てが奇跡に思えてくる脳味噌が愛しい。


      「なぁ、堕威くん・・・」


      「ん?」


      「なして俺んこと、抱くん?」


      「は?なしてそんなこと聞くん?」


      「なして?」


      「そんなん好きやからに決まっとるやん」


      頬を両手で包まれて、堕威くんの目を真正面から見据える。
      どんなメイクした顔よりも一番綺麗。
      

      好きっちゅー感情。
      好きやから何でもしてえぇっちゅーことにはならへんけど。
      好きやから何でも出来るっちゅーのはアリかな、と思う。
      

      京くんは?
      そう言いたそうな唇に自分のそれを重ねた。
      苦い酒の味がする。
      

      酔ったのは、多分、俺の方。























      








      
      Lies Or Truth・・・?


      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

      いっつもお世話になってる或季サンに捧げます★
      頂きモノと対になった、酔っ払い堕威くんver.です(笑)
      エロもなんとも言えず微妙なんですけど・・・気に入っていただけると嬉しいです★



 
      20041025  未邑拝










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