ゴロゴロしたり、テレビ見たり、キスしたり。
      よくある日常だけど、何気ない日常じゃない。
      一瞬一瞬が、奇跡みたいなもんだから。














      Daily  ife













 
      南向きの部屋は初夏並みに暑い。
      午前11時の太陽は、室内温度の上昇に貢献中。
      日陰を探して東側の壁に付けて置かれたソファーに身を沈めた。
      だけど、無情にも数分後、太陽に晒される事になった。
      太陽が、眩しい。
      俺は目を細めて、室内に目を向けた。
      今日は久しぶりにとイイコトしようと思って遊びに来たのに。
      当の本人は俺をほったらかし。
      さっきから何やら忙しく歩き回ってる。





      「ねぇ、何してンの?」





      「ん〜・・・探し物」






      は俺の方も見ずに、そう答えた。
      四つん這いになってテーブルの下に入ってった。
      あ・・・頭打ってるし。
      はぶつけた後頭部を撫でながら、はぁ、と溜息をついた。
      悪いんだけどね、溜息つきたいのは俺の方。
      折角会いに来たのになーんもなしだし。
      指一本触れさせてもらえないどころか相手にもしてもらえないし。
      俺が含み笑いをすると、は涙目で膨れっ面をしてみせた。
      も〜可愛すぎて言葉じゃ表現できない!
      




  
      「こっちおいでヨ」





      「・・・敏弥、笑ったから嫌・・・」





      「が可愛い事するからじゃん」





      「・・・可愛くないし」







 
      そう言って手招きすると、バツが悪そうに言葉を濁した。
      照れてんのかな?
      両手で顔を隠す姿も可愛い。
      もう一度おいでと呼ぶと、は小走りで俺の足元まで来た。
      俺と目が合うと、顔を赤らめて俺に背を向けた。
      可愛い・・・可愛すぎる!!
      




      しかも狙ってんの?
      その体勢はヤバいって。
      くつろぎモードの俺は脚開いてソファーに座ってんだよね、今。
      その間に、が俺に背を向けてペタンと座ってる。
      俺から見れば、胸の谷間まで丸見えってわけ。
      白い肌を滑る、襟足の長いサラサラな髪。
      細い肩、綺麗な首筋、鎖骨、腕、脚。
      ・・・触りたい、触りたい・・・抱きたい。








      「・・・シたい」





      「ん?何を?」





      「・・・エッチ」





      「・・・な?!な、何言ってんの?!」





      「だから、とセック・・・」





      「だぁぁ!!言い直すなぁ!!」







   
      
      ほらね、顔真っ赤。
      初めてじゃないのに、こういうところですっごく純粋なの。
      焦って上を向いたの顎を取り、そのまま口付けた。
      最初は触れるだけ、そっと、優しく。
      目を瞑ったら唇を割って、歯列をなぞりながら、深く。
      逃げる舌を掴まえて執拗なくらい絡めて。
      漏れてくるの声にさえ欲情しちゃうんですけど。
          





      「ッはぁ・・・とし・・」





      「・・・イイ?」





      「んッ・・・ちょっ・・待ッ・・!」





      「待てないナ」





      「・・ッ・・・待てって言ってるでしょ?!」








      そう、こんなシーン知ってるって思ったら、昨日読んだ漫画だ。
      主人公の男が彼女に無理矢理迫って、殴られんの。
      薫くんに借りた漫画の4巻じゃなかったっけ?
      てかさ、そんなに暴れなくてもいいじゃん!
      の左手が頬に直撃してちょっと泣きそう・・・。
      







      「何で嫌なの?!」





      「嫌なんじゃなくて駄目なの!」





      「意味解んないヨ!!」





      「解ってたまるかぁ!!」








      もーわけわかんない。
      理由聞いても聞かなくても怒るんだもん。
      そう言えば、あの漫画の続きってどんなんだっけ?
      確か、女の子が真っ赤な顔して"こう"言うんだ。
      薫くんが言ってた。
      女の子が嫌がる理由は男を嫌ってるか"それ"しかないって。
    





      「もしかして・・・生理?」





      「だぁぁ!!この馬鹿男ぉ!!」






      うわっ・・・薫くんビンゴ!すげぇ・・・。
      ははぁと溜息を吐きながら、体育座りのまま膝に顔を埋めた。
      髪の間から覗く耳が真っ赤。
      ん〜女の子にとってはそんなに恥かしい事なのかな?
      男には解らない痛みとか辛さだから、大切にしてあげたい。
      解ってあげられない分、大切にしてあげたい。
      に関する全てを、大切にしてあげたい。
      だって、好きだから。
      何があっても、失くしたくないものだから。







      「、怒ってる?ごめんネ?」





      「・・・とっちの阿呆・・・」





      「ごめんってばぁ〜!」







      丸まった背中を後ろからそっと抱きしめた。
      小さな身体はすっぽりと俺の腕の中に収まった。
      そっと髪に口付けると、いつもと同じシャンプーの匂い。
      そのままの頭に顎を乗せてくつろぎモード。
      気付いたかな?
      を抱きしめる腕に、少しだけ力を込めた事。






      「・・・顎乗せないでよ」





      「ヤダ。だってとくっついてたいもん」





      「・・・私はくっつきたくないんですけど」





      「え?!も、もしかして・・・すっごく怒ってる?」





      「うん、敏弥なんて大ッ嫌い」





      「だ、だ、大嫌い?!・・・ッ!」





      「うん、大嫌い。だから、もう少しこのままでいて」





      「・・・大嫌いなのに・・・?」





      「うん、もっとギュっとして。このままでいて」





      「、大好き!」





      「私は大嫌い」





      


      素直じゃない時のはすっごく素直。
      顎で頭をグリグリ〜ってしたら、馬鹿!って怒られた。
      それでも何か妙に嬉しい。
      何がって言われたら困るけど、何か嬉しい。
      大嫌いが大好きに聞えるのは、きっと気のせいじゃない。







      「、大好きだヨ?」





      「・・・私も・・・・」






      ゴロゴロしたり、テレビ見たり、キスしたり。
      とエッチしたかったり、だけど拒まれちゃったり。
      怒らせちゃったり、だけどすぐに仲直りしたり。
      よくある日常だけど、何気ない日常じゃない。
      一瞬一瞬が、奇跡みたいなもんだから。
      一瞬一瞬に、きっとちゃんと意味がある。
      だからね、大切にしたいんだ。






      















  
      BE HAPPY・・・?

      
      

    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
      ジャンプした姿が素敵で堪りません。
      兎に角、敏弥が顎を乗せてるトコが書きたかったんです。
      それがメインになるはずだったのに・・・読み流しな感じに。
      ん〜〜ほのぼの感が出せてたら、それで良いです(笑)
      この話は、敏弥狂してる虎羽に捧げます。
      いつも京くん京くんうるさくてごめんね(;´Д⊂)


       20040227  未邑拝




      
  
      
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