形にならへん物が愛やと判ってるけど俺は、御前と云う
形が欲しくて。


如何して判ってくれへんのやろ。


狂おしい程、愛してるのに。




「Blindness」




言葉はその瞬間だけ。



誓いも結局は口約束でしかない。



守られた物なんて何処にも無かった。



そうしたら自分で守るしか、無い、だろう?



破られる事の無い永遠が、傍で一生共に過ごせると云う
「確か」が欲しい。



その大きな瞳から流れる涙も、口から時々覗く舌も
喉の奥から押し出される嗚咽も、髪も・・・果ては細胞も
真赤い血液も、吐き出される白濁、も。




全て。




・・・御前は判らへんの?




俺の事、愛してないんか?せやから・・・同じ思いを
分かち合えないの?




「きょ・・・・・・お・・・・・っ。」



御願いやから、俺を拒否しないで・・・受け入れて。




俺と同じやって。




愛してるって言うて、俺だけの「君」になって。




「痛ぁ・・・・あっ・・・・・京っ・・・・・く・・・・!」
「動くだけ痛い思いするで、心夜。」
「も、こんなん・・・・止めて・・・・。」



か細く篭った心夜の声は、怯えの色を隠さぬまま
自分の腹部辺りに跨っている京に発せられた。



京から降ってくるのは、普段の温かみのある視線では無く
恐ろしく冷たい・・・でも何処か切なさが雑じった視線で。



心夜の頭上で一括りにされた両手首は、銀色に光る手錠に固定され
動く度に重い鎖の音を響かせ、尚且つ、その細い手首を
傷付けた。




伸びてくる手を避けようと思えば飛んでくる、平手。




起き上がろうと身を捩れば、錠が擦れて出来た傷を爪先で抉られる。




「何・・・で・・・・?何で、こんな・・・。」
「・・・・・・なぁ、心夜・・・・。御前も同じ、やろ?」
「え・・・・?」
「愛してる・・・・せやから俺を・・・。」







受 け 入 れ て 。






殴られた弾みで噛み切れた心夜の口の端から流れる赤を
ぺろり、と一舐めした京の舌が、そのまま唇をなぞり割り入っていく。



息をする間も許されない様なキスに、心夜は眉間を寄せた。




「ん、っ・・・・・ちょ・・・・・・あっ・・・・。」




手際良く下の物を全て脱がされ、上は肌蹴させられる。



上がりかけの体温とは逆に、驚くほど冷たい京の指。



指が体の線を辿る度に心夜は小さく喘いだ。




「俺の、や・・・・心夜・・・・・。」
「っ・・・・・そんなん・・・・ずっと、やん・・・。」





その一言に動きが止まった京の纏う空気が、変わる。





「僕は、京クンの、やん。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「愛してる・・・よ?僕、も。」
「嘘吐き、なんや。御前も・・・・・・っんで・・・・!!」
「京・・・・っ!?」




そんな簡単な物や無いねん。




「俺」を愛してるんやったら、そんな怖がらんで。




心夜、心夜・・・・・心夜・・・・・・・一つに・・・溶け合わせて・・・。





「待っ・・・・・嫌やっ!京く・・・・や、ぁ・・・止めて・・・!」





露にした心夜の裸体。




逃げようとする体を全体重で押さえつけ、閉じようとする足を
無理矢理開かせた。




中心で萎えきってるソレと、その奥の繋がる唯一の場所。



本来、受け入れる場所じゃないソコは当たり前だけど
濡れない。





「御願・・・っ・・・・京ぉ・・・!!!」





不思議な位に勃ちあがってる俺自身を押し付け、数回先端で
擦り上げ進めた腰。




「ぁ、っー・・・・・・!!!」



心夜が喉を反らし、目を大きく見開いた。




顎を伝う、唾液。




嗚呼、綺麗・・・・や。





押し込んだソコは軋んで、引き千切られてまうんやないかと
思う位に狭くて、今は唯・・・・この痛みが嬉しくて。




「っ・・・・・心、夜・・・俺のん、判るやろ?」
「ん・・・・たぁ・・・・あ、も、や・・・・だぁ・・・・抜いっ・・・!」
「心夜・・・・。」



最奥に届くように足を抱え上げて、体を曲げ抱き締めようとした、時やった。



震える手が俺の胸元を控え目に制す。




でも、なぁ。




御前、自分で判ってんのやろ?




目一杯拡がったソコは切れて、血が溢れて、熱を持ち出してるっつーのに。




「俺、拒んでえぇんか?」
「ふ・・・ぅ・・・・京・・・・も・・・・・。」
「心夜、痛いの好きやったん?」
「違っ・・・・好きなんかじゃ・・・・!」
「・・・・・体は正直なんになぁ・・・・。」




赤く染まってく耳元に顔を寄せて、そっと囁く。







−御前、勃ってるやん・・・−








瞬間、収縮する中。




体は抱いてくれるのに、心は抱いてくれないんやな。




揺さぶる体と、途切れ途切れに耳に届く心夜の掠れた声が
愛しくも憎くて。




「あ、ぁっ・・・・・は・・・ぅ・・・・・やぁ・・・・。」
「・・・・ん・・・・ぁ・・・・何なん。ココ締めただけじゃ判らへん。」



如何したら俺の心夜になってくれるん?



「京クン・・・っん、は・・・・ぁ・・・好き・・・好き・・・・っ。」
「・・・・・・・・・・・違う。」
「好き・・・嘘や無い・・・・・好きや・・・・京・・・・。」




心夜の口が一言、一言を紡ぎ動く度に眩暈がした。





繋がってるのに、遠退いていく感覚。





嗚呼、嗚呼・・・・もう・・・・。




「ぁ!?っあ・・・やぁっ・・・・あ、あぁぁあぁぁ!」



胸の突起に噛み付いて、心夜の震える自身の根元を指で
強く戒めて何度も何度も抉る。




「・・・・・・っ・・・・・ん、あ!」
「放し・・・・ぁ・・・・手、ぇ・・・!!」






ぼんやり、と阿呆な事を思った。




俺のこの白濁が、たった今吐き出したコレが心夜を染めて
「俺」で埋めてくれへんかと。





そしたら心夜は「俺」のやんか。





戒めた侭のソレは溢れた欲で濡れ光って。




萎えた俺自身を抜けば、血と精液とが雑ざり合う。




「んっ・・・・ふぁ・・・・あ、あーっ・・・!!」



搾り出すだけの行為の様に強く擦り上げると
心夜の体が震えて、そのまま達った。



この隙間を埋めてくれるんは、御前だけなんや。




「京・・・・。」
「・・・・・何でやろな。何で、見えへんのやろ。」
「ね・・・如何したん・・・?・・・おかしいよ・・・京くん・・・・きょ・・・・・・っ!」
「おかしくなんて、無い。」



優しく笑う京の目は言葉と裏腹に暗く淀み、痛みの全てが
心夜の首に回された手に篭められていく気がした。



届かない声は、空をも掴めず、落ちて。




「京くん・・・・本当に・・僕、は・・・・・。」



伝えきれなかった心夜の想いは、無情にも闇に飲み込まれた。




最期に映した京が泣いてるように見え、愛しく、伸ばした手。




傷付けられても、何でも、京なら・・・京、だから・・・。





「あ・・・いしてる・・・・か、ら・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
「きょ・・・・・・・くん・・・・・・。」





心夜の首に食い込んだ京の指は、心夜が事切れても離れず
それ所か、再び力を込めていく。





最愛の人に囚われた心夜。






最愛の人を自ら奪った京。






形は違えど、同じ想いを抱えた二人の結末。





「心夜?心夜・・・・なぁ・・・・・・。」





冷たくなった頬に伝う涙を舌で掬い取ると
顔を歪めた京が小さく呟いた。








「なして・・・・俺の物になってくれへんねん・・・・・。」









如何して判り合えないのだろう。





「確か」を求めれば求める程に遠くなって。









−透明色な愛、故に−












君の全てを愛し過ぎている、から。


















●End●

      




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PinkyStripper. のみぃな。さんから頂きましたv
もぅ姫受けに嵌まってしまって!掲示板で話したら書いて下さったんです!
鬼畜SM!そしてその裏にある狂気に満ちた深い愛・・・最高です!
本当にありがとう御座いましたvV


      20050520  未邑拝







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