生まれてきて良かったな、なんて思っちゃったり。
      こんなことって、一生に何回くらいあるんだろう?
























      ありがとうを




















      「、おっめでとー!!」


      「え?何で知ってんの?どーして?」


      「こういう情報はどこかしら洩れてくるんやで」


      
      薫さん直々に呼び出しがあって、楽屋にきてみるとこんな感じ。
      ドアを開けた瞬間敏弥くんが飛び跳ねながらクラッカー打ちまくってて。
      すっごく可愛い笑顔でおめでとうって言ってくれた。
      他のメンバーも全員揃ってて。
      涙が出そうになったのは、それが私の為だって解ったから。


      そう、今日は私の誕生日。
      何歳になったって、自分の誕生日を祝って貰えるのは嬉しい。
      皆忙しいのにこの為に時間割いてくれたんだよね。
      凄く、凄く嬉しい。


      
      「誕生日おめでと!はい、俺からのプレゼントv」


      「い、良いの?」


      「当ったり前じゃん!の為に選んだんだもん」


      敏弥くんがくれたのは可愛くラッピングされた小さな箱、
      ピンク色の包装紙に細いリボンが幾重にも巻かれている。
      開けて開けてって言われたから遠慮なく開けちゃう。
      このリボン崩すの勿体無いんだけどな。


      小さな箱から出てきたのは、可愛いピアス。
      銀色で綺麗な薔薇の細工がしてある。
      私は早速今付けてるピアスを外して、それを付けてみた。
      敏弥くんは似合うよって。
      うん、ありがとう。



      「おめでとさん。はい、コレ、俺からな」


      「うわぁー・・・ありがとう・・・!」


      「の口に合うかどうか解らへんねんけど、好きやったよな?」



      薫さんががくれたのは英字新聞柄の少し大きな袋。
      上にはピンクのリボンが咲き乱れてる。
      中身はすぐに解っちゃった。
      だって薫さんには前話したんだけど、此れは私の好きなお店のもの。
      中、見ていい?って聞いたらえぇでって言われた。
      何かなー・・・


      袋から顔を出したのは、綺麗なティーカップとローズティー。
      淡いピンク色で薄っすら花が描かれた、見るからに綺麗なティーカップ。
      しかもローズティーは私が一番好きなお茶。
      話、覚えててくれたんだね。
      ありがとう。



      「はい、おめでとな。これ絶対喜ぶで!」


      「その変な自信は何ー?」


      「見てのお楽しみや」


      堕威くんがくれたのは厚くて平べったい茶色の袋。
      しかもマジックで『ナマモノです!』って書いてある。
      いや、明らかに食べ物の形してないし。
      はよ見てみぃやって言葉に促されて袋を開く。


      そこから出てきたのは、私がずっと探してた画集。
      あんまり古いから、どこの本屋行っても全然見つかんなくて諦めてたのに。
      私だって大きな本屋から小さな古本屋まで結構回ったのに見つかんなかった。 
      これを見つけるために、堕威はどのくらい苦労したのかな。
      半泣きでお礼を言ったら、堕威は永久保存版やでって笑った。
      うん、ありがとう。



      「誕生日おめでとう。何が欲しいか解らんかったから、コレ・・・」


      「心夜くんまで・・・ありがとう!!」


      「気に入ってもらえるとえぇんやけど」



      心夜くんがくれたものは黒くて四角い箱。
      至ってシンプルな黒い包装紙には赤のリボンがかかってて。
      ウズウズしてる私に、心夜くんは、開けてえぇよって言ってくれた。


      箱を開いてみると、敏弥くんから貰ったピアスとお揃い柄のバングル。
      細かく薔薇が掘り込んであってすごく綺麗。
      いかにも女の子用なんだけど、多分心夜くんならご自分用ですか?って聞かれたはず。
      私は腕を見せながらお礼を言うと、にっこりと心夜くんは笑ってくれた。
      ピアスとお揃いで毎日付けちゃうよ。
      ありがとう。


      皆が私のことを考えながら選んでくれたプレゼント。
      それだけで凄く嬉しいよ。
      だけど・・・


      「ほら、京くんも何か言いなよ」


      「・・・」


      「何や、照れてんの?」

      
      「照れてへんわ、ボケ」



      そう、何故か大好きな京だけが不機嫌。
      私、何か悪いことでもしたのかな。      
      今日は会ってから一度も目すら合わせてくれない。
      ずっとそっぽ向いたまま後ろの方に立ってて。
      怒らせちゃったのかなぁ・・・。


      「あ、あの・・・京?」


      「・・・」


      「あーの所為とちゃうで。こう見えて京くん照れ屋やねん」


      「誰が照れ屋やねん!」


      「京くんやろ。決めたこと一つ出来ひんのは男やないで」


      「うっさいわ、ボケ!!誰も出来ん言うてへんやろ!!」


      「堕威・・・あんま京くんイジメんなや・・・」



      なんかよく解んない状態に・・・。
      怒る京を堕威くんが突っついてる。
      心夜くんと薫さんは呆れ顔で敏弥くんは爆笑。
      

      京は照れ屋だけど照れ屋じゃなくて。
      決めたことを出来ないのは男じゃないけど京は男だから出来て。
      うーん・・・意味不明・・・



      「あのさぁ・・・どういうこと?」


      「あんな、実は・・・」


      「心夜ぁ!!何言おうとしとんねん!!」


      「京くんが腑抜けやから僕が言うたりよんねん」


      「誰が腑抜けじゃぁぁ!!!」


      「もう・・・京!ちょっと落ち着いてよ!」


      「コレが落ち着いてられっかー!!」



      あーもう・・・一人でなにやってんだか・・・。
      折角の誕生日だから、仲良くしてくれたって良いのに。
      こんな私の目の前で怒んなくても良いじゃん。
      


      「もぅ・・・何か私邪魔みたいだし、帰るね」


      「はぁ?!が帰ることねぇーじゃん!」


      「でも・・・」


      「京くんが帰れば良いじゃん!」


      「せや。今日はが主役なんやからな」


      「京くん、家帰って頭冷やして来た方がえぇんとちゃう?」



      みんな・・・ちょっと言いすぎだって・・・。
      そりゃぁ私だって帰りたいわけじゃないけどさぁ・・・
      もし京にこんな顔させてるのが私だったら嫌なんだ。
      


      「いや、本当に私・・・」


      「言えばえぇんやろ、言えば!!」


      「へ・・・?」



      京は怒鳴り散らしながら私の前にズイっと一枚の紙を出した。
      いやいや、近すぎてピント合わないから。
      もしかして誕生日プレゼント?
      


























      「有効期限は明日!使用期限は一生やからな!」



      

























      それはあまりにも傲慢な告白。
      こんなのテレビでだって見たことないよ。
      それでも溢れてくる涙は京を愛してる証。
      大好き。






      京が私に差し出したもの。
      それは名前と印鑑が押された、婚姻届。
      





      思わず貰ったプレゼント全部落としちゃって。
      薄情だって敏弥くんが笑うのもよく聞えない。
      みんなから貰ったプレゼント、本当に嬉しいんだよ?
      だけど、これが一番。
      京がくれたプレゼントに勝るものなんてないよ。



      「うわぁーそんな言い方ないやろ、京くん」


      「うっさいわ!外野は黙っとれ!」


      「あーあ・・・泣いちゃったし。かわいそー」


      「あぁ?!これは嬉し涙やろ!」


      「ちゃうでー。京くんの言い方が恐かってんやんなぁ?」



      堕威くんが私の頭を押さえてうんうんと頷かせる。
      敏弥くんと薫さんが笑ってる声がする。
      私は怒る京を見ながらも涙が止まんなくて。
      京に泣くなって苦笑いされた。



      「結婚・・・しよな」



      
      俯いた私の顔を覗き込みながら、京はそう言った。
      照れたような、それでいて真剣な顔で。
      私の大好きな声で、確かにそう言った。


      普通、結婚してくださいって言うよね?
      結婚すること前提な言い方だよね、コレって。
      ちょっとだけ笑みが零れる。


      本当に私でいいの?とか。
      私我が儘だし、きっと困らせることいっぱいあるよ?とか
      言いたい事はいっぱいあった。
      だけど、そんなのどうでもいい気がした。


      京が選んでくれた私を信じたい。
      我が儘だって直すし、困らせないようにするから。
      京が、大好きだから。



      「・・・ぅん・・・」



      幸せにするよ。
      そうすれば私も幸せになれるから。
      京を幸せに出来るのは私だけだって自惚れても良い?
      私を幸せに出来るのは京だけなのと同じように。
      



      「おーおーあっついわ、このカップル」


      「ほんま、見てられへんな」


      「誰も見てえぇて言うてへんやろ。見物料取るで」


      
      相変わらず京は毒舌で。
      堕威くんは京で遊んでて、薫さんはそれを見て笑ってて。
      敏弥くんは堕威くんと一緒になってるし、心夜くんは無関心。
      これから先もずっとみんなを見てたい。
      一番近くで。
      京の、一番近くで。


      
      「ま、お幸せにな。あ、!婚姻届の期限、明日らしいで」


      「明日出し行くからえぇねん」


      「忙しいカップルやなぁ。京くん、大切にしたらなあかんで」


      「当たり前や。俺を誰やと思っとんねん」


      「京くんに飽きたらいつでもおいでねー!なら大歓迎!」


      「シバクで?!お前にがやれるかっちゅーんじゃ」


      「疲れたらいつでもみゆとゆゆ見に来てえぇから」


      「何で疲れること前提やねん!」



      

      生まれてきて良かったな、なんて思っちゃったり。
      こんなことって、一生に何回くらいあるんだろう?
      今までに何回あっても、これから先何回あっても。
      きっと今以上に嬉しい事なんてないよ。
      


      「京・・・ありがとう」


      
      どんな誕生日プレゼントより嬉しい。
      京がくれたものが一番嬉しい。
      大好きな気持ちとその証。
      



      「愛してるよ」

      


      ねぇ、使用期限は一生なんだよね?































      BE HAPPY・・・?


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      遅いけど誰の為に書いたか丸解りでちょっと恥かしいです(笑)
      久々にこんなのゲロ甘く、初めてこんなに短く、いつも通り内容は薄いです。
      良いんです。とにかくおめでとうなんです!

      
      少しでもお気に召しましたら感想下さると嬉しいです★


      20040615  未邑拝














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