があんまり綺麗に笑うから。
      胸が締め付けられるくらい綺麗に笑うから。

























      という物



















      形ないもの。
      それは最初から形にならへんもの。


      形ないもんは信じられへん。
      でも形にすれば嘘としか思われへん。
      

      色を付ければ透明で。
      でも澄んだわけでもなければ綺麗なわけでもあらへんくて。


      「ねぇ、薫?」


      「・・・ん?」


      「愛ってなに?」


      「・・・さぁ?」


      昔からある不変のもの。
      形は違う、変わる、人其々で。
      形があるんかってゆわれれば、ないって答えんのに。


      「私のこと、好き?」


      「ん」


      「じゃあ愛してる?」


      「・・・ん」


      愛せない人は可哀相やって。
      誰かが決めた理。
      律儀に従う俺達。


      「なぁ、?」


      「なぁーに?」


      「愛って何なん?」


      「・・・さぁ?」


      浅はか過ぎて。
      それでも求め過ぎて。
      

      「なぁ、?」


      「何?」


      「俺が死んだら、悲しい?」


      「・・・うん」


      他人の間に何か生まれるとしたら。
      その根底にあるもん。


      「愛って何だろーね」


      「そんなもんないんやない?」


      「どーして?」


      「形に出来ひんからから」


      「じゃー私達の間にあるのは何?」


      「・・・愛やない?」


      「ないってゆったじゃん」


      「うん・・・でも、愛やと思う」


      「・・・」


      「人は・・・弱いやん?」


      「・・・うん」


      「何かに縋っとかんと、生きていかれへんと思う」


      「・・・愛に?」


      「そんなものあらへんけど、必要なんやと思う」


      「作りものなの?」


      「最初から在るものなんかあらへんやろ?」


      「世の中が無だとしたら、どっから生まれるの?」


      「世の中が無なわけないやん」


      「最初から在るものなんかないんでしょ?」


      「何かがあるってことは、誰かが作ったってことやん」


      人は弱いもんやから。
      何かにかこつけんと生きてくんも困難で。
      縋りあって生きて、そん中に何かを求める。


      縋り合うのにも理由が必要で。
      手っ取り早いんが愛っちゅー理由。
      それを必要不可欠にすることで、生きることを許される。


      「・・・難しい話ね」


      「世の中に簡単なことなんかあらへんやろ」


      俺達はいつだって必死で。
      見た目よりずっとずっと必死になって生きとる。
      

      洪水みたいに押し寄せる他人の波。
      どうにか自我を保とう思て必死に足掻いとる。
      何かがないと倒れてしまうそうやねん。
      見た目よりずっとずっと弱いから。


      「でもさ・・・」


      「ん?」


      「私はね、誇りに思うよ」


      「・・・何を?」


      「例えばね、人を好きになるじゃない?」


      「うん」


      「でもその恋が実らないとするじゃん。相手には恋人がいたりね」


      「うん」


      「そしたらね、その人を好きになったことを後悔したりしない?」


      「・・・解らんでもないかも」


      「愛しさが憎しみに変わるくらいの愛を持ってるってことでしょ?」


      「・・・」


      「それほど人を愛せる自分を、私は誇りに思えるよ」


      愛って何なんか。
      結局のとこ何も解れへんのやけど。
      があんまり綺麗に笑うから。
      

      「愛って感情はな、恐いと思うねやんか」


      「・・・恐い?」


      「自分じゃどーしよーもあらへんやん。収拾付かへんやん」


      「・・・うん」


      「誰から習ったわけでもあらへんのに、誰かを好きになって」


      「・・・うん」


      「誰から習ったわけでもあらへんのに、人を愛して」


      「・・・うん」


      「そん中でいろんなこと覚えていくねんな」


      「いろんなこと?」


      「優しさやったり憎さやったり・・・人の傷つけ方とか癒し方とか」


      「だったら・・・」


      「だったら?」


      「・・・笑わない?」


      「・・・多分」


      「自信無さ気じゃん!やっぱゆえない・・・」


      「なんでやねん。笑えへんからはよゆーてや」


      「・・・人間って愛の塊みたいね、って・・・」


      俺達は前に進むんも後ろに退がるんも手探りで。
      何かにぶつかることを、何となく恐がって。
      それでも見つける為には、何かに当たる必要なわけで。
      その対象が自分やなんて、考えられへんかった。


      自分の指先で自分の体内をなぞって。
      指に触れた瞬間、それは弾けるように溶けて。
      指を伝って脳に達するころ、切なさに心臓を鷲掴みにされる。


      「愛の形っていっぱいあって、それを表すものが世の中にはまだないのかもしれないね」


      「ん」


      「やっぱり私、誇りに思うよ」


      「愛を?」


      「愛を持ってる自分を、かな」


      「・・・ん」


      「世の中に必要ないなんか無いと思う?」


      「さぁ・・・どーやろーな」


      「愛する気持ちもさ、必要なものだといいね」


      「なして?」


      「だってさ・・・コノ辺、あったかくない?」


      さされた心臓。
      なんとなく、気のせいかもしらんけど、あったかいかも。
      だっての笑った顔があんまりにも綺麗やから。


      「ねぇ、薫?」


      「ん?」


      「愛って、何だろうね?」


      誰に習ったわけでもあらへんのに、俺達は人を愛する。
      どっから湧き出てくるんか解らへん感情。
      その中心にあるんは、ありきたりやけど、心なんかもしらん。


      どーでもいい質問。
      考えたって答えなんか出てきぃへんのは解っとるから。
      それでも考えてしまうんは、人間の理。
      人を愛することは、本能なんかもしらん。
      

      もしこの世の始まりが無でなかったとして。
      何かがあるっちゅーことは、作った誰かがおって。
      もし俺やったら、無駄なもんは作れへんと思うねん。
      必要なもんだけ並べても数え切れんくらいあんねやから。
      

      必要なもんとして本能の中に組み込まれた感情。
      もしかしたら、必要なんやなくて不可欠なんかもしらん。


      「さぁー・・・難しい問題やな」


      があんまり綺麗に笑うから。
      胸が締め付けられるくらい綺麗に笑うから。


      愛してる。


      俺はそう思った。
























      BE HAPPY・・・?


      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

      愛って何ですか?
      そんなの解らない張本人が書いても、ほとんど説得力ないですよね。
      あ、別に説得してるような内容でもないですね・・・あははは〜・・・<ごめんなさい;
      なんか、いっぱいいっぱいですね、私・・・(;´Д⊂)


      少しでもお気に召しましたら感想下さると嬉しいです。



      20050209   未邑拝
      
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