バカな子ほど可愛いって言うけどな。
      ま、愛情表現ってことで。






















       情表現




















      俺の彼女が必死に話す俺の外見。
      そんなデカイ声で言わなくても聞えるっつーの。
      はいはいはいはい、それもう聞き飽きたし。
      どんなんかって?


      細い身体に高い身長。
      切れ長な眉毛に綺麗な目。
      あんまり厚くない唇。
      
      あ、それからサラサラな黒髪。


      こんな感じ。
      さっきからまさに全身全霊で叫んでんの。
      結構怖い。


      何でこんなことになったかって?
      そりゃ、俺のちゃんが大好きな俺の黒髪がなくなったから。
      別に坊主になったわけじゃねぇんだぜ?
      出来心で・・・オレンジ色にしちゃいました。





      「新弥ぁぁぁぁ!!!!」

 
      「うわあぁぁぁ!!!!」



      血相を変えて追いかけてくる
      その形相は何気に鬼気迫るものがある。
      彼女のこんな姿みることになるとは思ってもみなかった。
      

      大体さ、今時髪染めんのにいちいち報告するか?
      いや、しねぇだろ、うん。
      たまには俺だって瑠樺さんみたいに髪染めてみてぇんだもん。
      なのに・・・



      「新弥、髪!!髪黒に染めよう!!」


      「染めねぇっつーの!!」


      「どーして?!」


      「どーしてじゃねぇよ!つーか、んなもん振り回すな!」


      「そんなもん?」


      「それだよソレ!お前が右手に握りしめてんもん!」


      「あぁ、男の白髪染め?」


      「しかも白髪染めかよ!!」


      「これが一番長持ちするって聞いたの」


      「誰に?!」


      「瑠樺さん」



      余計なことすんなよ、あの人は!!
      が本気にすることくらい解んだろ!
      あーマジあの人最悪。
      んでそれを間に受けてるバカなが可愛いと思う自分も最悪。



      「瑠樺さぁーん!!こいつどーにかしてー!!」


      「うっせぇ。イチャつくな、バカっぷる」


      「どこをどー見たらイチャついてるよーに見えんだよ!!」


      「男なら髪の一つや二つでガタガタ言ってんじゃねぇよ」


      「そうですよね、瑠樺さん」


      「じゃあオレンジでも問題ねぇじゃん!!」



      何で俺の周りってこんなんしかいねぇんだよ!
      つーか瑠樺さん酷くねぇ?!
      あの人絶対俺見て楽しんでるよな。
      


      「新弥はねぇ、黒髪の素晴らしさを知らないからそんな事出来んのよ!」


      「黒髪の素晴らしさって何だよ!」


      「風になびくあの黒髪ほど美しいものはないわ!」

      
      「それは病気だろ、病気!!」



      日本中探しても、白髪染め握り締めて黒髪について力説する女はいねぇよ。
      つーか、わざわざ黒髪に戻したがる女もいねぇだろ。
      あぁ・・・なんか泣きそ・・・



      「なぁ、?」


      「ん?あぁ、私、染めるの巧いから安心して」


      「違ぇーよ!」


   
      あぁ、この女は・・・。
      そこ、瑠樺さん!アンタも笑ってんじゃねぇよ!
      曲りも何も一応パートナーだろ、俺等。
      リズム隊の危機だぜ?助けろっての。



      「なぁ、?お前さ、俺の何が好きなわけ?」


      「えっとねぇ・・・細い身体に高い身長に・・・」


      「お前さ、俺の外見が好きってこと?」


      「へ?」


      「だってさっきから外見のことばっかじゃん」


      「いや、ちょっと・・・新弥?」


      「は俺の見た目と付き合ってんの?」


      
      困ったようなの顔。
      別に本心でこんなこと言ってるわけじゃねぇよ。
      だって、俺のこと大好きじゃん?
      それにが人を見た目で判断する奴じゃねぇって解ってるし。
      大体今更そんなこと心配する付き合い方してねぇっての。



      「黒髪じゃねぇ俺って、そんなに価値がねぇ?」


      「いや、そう言うわけじゃなくて・・・」


      「の好みじゃねぇ俺ってそんなに価値がねぇの?」


      
      瑠樺さん・・・雑誌読んでるふりしてこっち見てんのバレバレ。
      言っとくけどな、アンタの思い通りにだけはなんねぇからな!
      遠隔操作して遊べると思ったら大間違いだっての。
      だってアンタより俺の方が巧いもん、の扱い方。



      「・・ごめん・・・私、新弥がそんな風に思ってるなんて知らなくて・・・」


      「別に・・・」


      「価値がないって思ったことなんて一度もないよ?!」


      「・・・」


      「新弥の価値が外見にしかないだなんて思ったことない!」


      「もう良いって・・・」


      「ホントだよ?!そりゃ、こんなこと言った後じゃ信じてもらえないかもだけど・・・」


      「・・・嘘じゃねぇ?」


      「嘘じゃないってば!」


      「髪、オレンジの俺でも?」


      「髪の色なんて関係ない!新弥は新弥だもん!!」



      よっしゃ!
      今、間違いなく言ったよな?
      髪の色なんて関係ねぇって。オレンジでも良いって。
      

      瑠樺さんが驚いた顔でこっち見てる。
      今日ばっかりはアンタより俺の方が一枚上手だ。
      俺って実は演技派かも。



      「じゃあその白髪染め、捨ててこいよな?」


      「え・・・」


      「何?さっきの嘘だったわけ・・・?」


      「嘘じゃないよ!男の白髪染めなんてもう使いません!」


      「だよな」



      がっくりしたはすっげぇ可愛い。
      悪いことしたなとは思うけど、まぁいっか。
      だってたまにはこんな色も良いと思うんだよな、俺。
      ま、そのうち見慣れんだろ。
      

   
      「ねぇ、新弥」


      「何?」


      「好きだよ?新弥の全部が好きだよ?」


      「解ってるって。ごめん」


      「外も中も新弥の全部が好きだよ。嘘じゃないよ?」


      「うん。変なこと言って悪かったって」


      「・・・嫌いになった?」


      「何が?」


      「私が」


      「まさか」


      「ホントに?」


      「当たり前」


      「好きだよ?」


      「俺も」



      
      微笑んだの額にそっと口付けた。
      唇にしたいのは山々だけど・・・瑠樺さん、アンタこっち見すぎ。
      あの人の前でそんなこと出来ねぇっての。
      の左手の中にある男の白髪染めに苦笑いして、もう一度口付けた。
      バカな子ほど可愛いって言うけどな。
      ま、愛情表現ってことで。


      別に外見が好きだろうとそうじゃなかろうと関係ない。
      俺がを愛してればオールオッケーってわけ。
      がそうじゃないって知ってっから言えることかもしんねぇけど。
      ま、髪色一つで揺らぐほど、俺等の愛は軽くねぇってことで。




















      
      「新弥ぁぁぁぁ!!!!」

 
      「うわあぁぁぁ!!!!」



      調子に乗って髪を紫にしてみた。
      男の白髪染めを持ったに追っかけ回されることになるのは、もう少し先の話。




























      BE HAPPY・・・?


      ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

      久しぶりのメア夢です。期待してた方、ごめんなさい;
      オレンジ頭の新弥に衝撃を受けたのは私だけではないはず・・・。
      でも紫(メッシュみたいな感じ?)は素敵だと思いました!
      そんな髪の毛ネタでした。

      少しでもお気に召しましたら、感想下さると嬉しいです。


      
      20040717  未邑拝

      
      


     
      
      
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